お知らせ

2025.07.25開催 講演「長崎、長崎の曼荼羅よ」

80年間、閉ざし続けた記憶の扉を開く―
詩集『長崎、長崎の曼荼羅よ』(長崎文献社)は原爆被爆犠牲者への慰霊曲であり、詩人金光子が2歳の時に長崎で被爆し父母から引き継いだ「残酷な懐かしさ」の記憶の叫びである。
長崎の被爆により命を落とした幾十万の魂たちを、いかなる名で呼べばよいのだろうか。いかなる名詞を、いかなる固有の呼び名を与えれば、彼ら英霊を悼むにふさわしいのか。無垢の幼子たちまで罪のないまま、非命に倒れた英霊を、英魂たちを慰める追慕と慰霊の思いをこめ、私は『曼荼羅!』という象徴を選んだ。(『長崎、長崎の曼荼羅よ』「詩的メモ」より抜粋)

*「曼荼羅」
三千年に一度咲くと伝えられる幻の花。仏教用語で仏心を悟ること。この詩集では被爆により亡くなった魂を曼陀羅として表現している。

■日時:2025年7月25日(金)16時30分~18時10分
■会場:長崎大学文教キャンパス・グローバル教育棟スカイホール(地図・裏面)

■司会・朗読: 橋場紀子 長崎大学多文化社会学研究科
■講   演: 金 光子 在韓被ばく詩人(釜山在住)
■解   説: 文 善英 韓国東亜大学校教授
■通   訳: 鄭 美香 長崎大学多文化社会学研究科

※参加登録不要

金光子氏(雅号 雪津)の略歴
(2025年6月 韓国釜山自宅にて撮影)
1943年、長崎市大浦で出生。1945年8月9日、2歳の時に同市稲佐町で被爆し、同年9月に両親とともに帰国。全南光州大学校文理科大学卒業。釜山女子大学社会科学院講師を歴任(教育歴38年)
主な作品に『海雲台 アリラン』、『恋しさの美学』、『臥牛山の里』など多数。『長崎、長崎の曼荼羅よ』(長崎文献社,2025年7月)は14番目の詩集。受賞歴として第23回尹東柱賞、第33回国際ペン文学賞、大韓民国郷土文学賞、韓国文学賞ほか。釜山詩人協会理事長、国際ペン韓国本部理事を歴任し、韓国原爆被害者協会代議員、『忘れられない、あの日々の証言集』(2024年12月刊行)編集主幹。

文善英(ムン・ソニョン)氏の略歴
韓国東亜大学校教養学部教授。国立釜山大学校国語国文学科卒業後、同大学院で博士号取得(専攻・国文学・現代
詩)。詩人、文学評論家としても活動。1990年に韓国文学芸術新人賞。
著書には『聞き慣れた音』(詩集)、『現代詩と文化意識』、『韓国戦争と詩』のほか、共著として『韓国現代詩とパロディ』、
『韓国叙述詩の詩学』、『韓国現代文学の性と売春』、『体の歴史と文学』。

■主催: 長崎大学多文化社会学研究科・多文化社会学部,
■共催:核兵器廃絶センター、グローバルリスク研究センター
■問合せ:長崎大学多文化社会学部 ℡ 095(819)2934